みなさんこんにちは。
日本の家づくりと切っても切れない関係にあるのが「災害」です。
今回は、その災害の中でも特に甚大な被害をもたらす地震について、
パナソニックホームズが始めた試みをご紹介させていただきます。
パナソニックホームズの地震あんしん保証とは何か
様々な災害が発生する日本。
その災害に対して、ハウスメーカーは「地震に強い」「火災に強い」
「風水害に強い」とアピールしています。
ところが、「強いなら地震や台風で何かあったときの保証をしてくれるの?」というと
そんなハウスメーカーはほとんどありません。
そんな中で、パナソニックホームズは2020年4月1日以降の契約で、
地震あんしん保証が適用されるようになりました。
対象となるのは、パナソニックホームズで建てた耐震等級3の戸建・賃貸・賃貸併用住宅です。
また、この保証が適用になるのは計測震度6.8以下で建物が全壊、大規模半壊、半壊した場合です。
「あれ?熊本地震では震度7が2回も来たけど、6.8以下ってことは熊本地震クラスは適用されないってこと?」
という疑問が浮かんでくるかと思います。
実はこの計測震度と、テレビなどで聞く震度の階級は微妙に違うのです。
気象庁が発表している上記の表を見てもわかる通り、震度7=計測震度7ではないのです。
今回のパナソニックホームズの地震あんしん保証は、計測震度6.8以下の地震が対象なので、
一部震度7の地震にも対応しているということです。
非常にややこしいですね。。。
注意が必要なのは、地震の揺れによる全壊、大規模半壊、半壊が対象という点です。
津波や火災の被害に対しては、保証の対象外となります。
被害の判定については、市町村が発行している「罹災証明書」「住宅被害認定調査票」により、
また保証限度額は建物価格か、5000万円のどちらか低い方となります。
さて、さらにパナソニックホームズでは年度保証限度額を設けています。
これは何かというと、「一年間で、この金額を超える保証はできません」と言っているんです。
より具体的に言うと、2024年度については、年度保証限度額が10億円になっています。
2024年度に大きな地震が起きたとして、500万円の保証が必要な物件が200件までなら
満額保証ができるが、300件となった場合1件当たりの保証額が少なくなりますよということです。
被害棟数が多くて、想定していた金額が出ない!ということも考えられるので注意が必要です。
そして、保証期間については引渡日から10年間という期限があるので、
こちらも注意が必要です。
地震保険にプラスアルファの安心感
比較的築浅の住宅が、地震によって被害を受けた場合、
ローンは残っているのに家がなくなってしまったという事態が
一番恐るべき事態です。そうならないために、
地震保険という存在があります。
地震保険は年末調整時に保険料の控除があることでもわかるように、
国が加入を推奨している保険です。
ただ、この地震保険は建物価格の半額までしか保証額を設定できません。
つまり、地震保険に入っている状態で家が地震で全壊しても、
最大半分の金額までしかもらえないということになります。
これではローンの残債をすべて返済できないという事態になりかねません。
そこで、このパナソニックホームズの地震あんしん保証が役立つわけです。
また、ほかのハウスメーカーがほとんど取り組んでいないことに対して、
今回パナソニックホームズが挑戦したという点は非常に評価できると思います。
正直個人的には、パナソニックホームズが地震に強いというイメージがなかったのですが、
(パナソニックホームズさん、ごめんなさい)
数々の実験などによって自信をつけ、今回の制度を作ることになったのでしょう。
口ばっかりのハウスメーカーが多い中、実際に行動したのは素晴らしいです。
地震あんしん保証の注意点
素晴らしい志のもとスタートした地震あんしん保証ですが、
注意点もあります。
- 引渡しから10年までしか保証されない
- 地震による火災や津波では保証されない
- 年間保証額が決まっているので、被害が多い場合想定している金額が出ない
以上の3つでしょう。
特に年間保証額が決まっている点は気がかりですね。
そんなにたくさん被害物件が出ることはない!という地震の現れでもあるのでしょうが、
想定を超えてくるのが災害だということを肝に銘じなくてはいけません。
地震保険の代わりにはならない
上記のように、地震あんしん保証は優れた点があるものの、
それだけではいざという時に満足な保証を受けられるわけではないという
ことをお話させていただきました。
地震保険には必ず加入し、それプラスアルファの保証という意味合いで
考えるようにしましょう。
まとめ
パナソニックホームズの地震あんしん保証。
ハウスメーカーの「災害に強い」という決まり文句に
一石を投じることとなるかもしれません。
数年後には、いろいろなハウスメーカーが地震に対する保証の内容で
競い合うような流れになったらいいなと思います。
今現在は保証が築10年までというのが少し残念なところ。
築10年以上では地震に対して安心ではなくなってのでしょうか。
築10年以上の住宅まで保証すると、保証する数が増えすぎてしまうからでしょうか。
いくつか理由はあるのでしょうが、この築10年という縛りが、
少しずつ伸びていくことを願っています。
今回もお読みいただきありがとうございました。
次回の更新もお楽しみに!
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