地盤改良の種類と費用をご紹介!

家づくりの部屋

みなさんこんにちは!

今回は家づくりを考えた際に避けては通れない、

「地盤改良」について書かせていただきます。

とても大事なことであるにもかかわらず、

詳しいことはあまり知られておらず、

住宅会社の言われるがままになっている方も多いでしょう。

事前知識として、お役立ちいただければと思います。

地盤改良とは?

地盤改良とは、文字通り家を建てる土地の改良工事のことを言います。

建てる家の重さによって、のせられる地盤の強さが決まっており、

その地盤の強さが出る深さまで、改良して地盤を強くするのが一般的な考え方です。

強い地盤が浅いところにあれば、改良長が短くなるので一般的には工事費が安く、

強い地盤が深いところにあれば、改良長が長くなり一般的には工事費が高くなります。

また、地盤改良は大きく分けて3つの種類があり、

その改良長によって、もしくは地盤の状態によって選択していくことになります。

と言っても、地盤調査を行ったあとにハウスメーカーと地盤改良会社が

最適な改良長と工法を選択するので、施主さんが自由に選択する幅はほぼないと言えます。

まず3つの工法をご紹介します。

画像出展 サムシング(https://www.s-thing.co.jp/jiban_kairyo/kairyo_koho/)

「表層改良」は浅いところを丸ごと改良

強い地盤が比較的浅いところにある場合、

その良い地盤まで改良するのが表層改良です。

地盤の弱い表層部分だけを改良するから、表層改良です。

その他の工法と違い、ピンポイントの改良ではなく、

家がのる地盤全体を丸ごと改良します。

具体的には弱い地盤部分を掘り、固化材を混ぜて固めて改良します。

一般的には強い地盤が地面の表面から2メートルくらいまでにあれば、

この表層改良を行うことができます。

基本的には改良長が短い分、その他の工法よりもお安くなります。

土地や建物サイズによって一概には言えませんが、

延べ床面積30坪程度の家を建てる際は、100万円以下で行うことができるでしょう。

一部例外もあります。

それは改良長が2メートルの場合です。

2メートル改良するとなると、実は次に紹介する「柱状改良」も行うことができます。

地盤丸ごと改良する表層改良とは違い、ポイントごとに改良する柱状改良は、

比較的お安く、表層改良よりも安くなる可能性があります。

「地盤が比較的良かったので、今回は表層改良でいけます」と言われた際は、

その内容もよく確認するようにしましょう。

「柱状改良」はコンクリートの柱で家を支える

浅い地盤を丸ごと改良していた表層改良とは違い、

柱状改良は文字通り柱状のもので改良していきます。

コンクリートの柱を強い地盤まで何本も作り、

その柱によって家を支えるという考え方です。

ドリルでぐるぐると強い地盤まで掘っていき、

逆回転させて抜くときに先端からセメントを流し込んで、

ドリルを抜いたらコンクリートの柱が出来上がっているという工法です。

表層改良よりも深いところまで改良することができます。

長さで言うと、対応しているのは大体2メートルから10メートル程度までです。

そのくらいの深さまでに、強い地盤があれば柱状改良で地盤を改良することができます。

比較的多くの家がこの柱状改良によって家を建てており、お値段的にも安いというのが

特徴でしょうか。

延べ床面積30坪程度の住宅の場合70万円から200万円程度で行うことができるでしょう。

「鋼管杭」なら地中奥深くまでOK

柱状改良は10メートルまで対応できると言いましたが、

ではそれ以上深いところにしか強い地盤がない場合はどうしたらよいのでしょうか。

その場合は、鉄のパイプのような鋼管を強い地盤まで入れていく「鋼管杭」という工法があります。

強い地盤までたくさん鋼管を入れていくことになり、

一般的な住宅地ですと大体15メートルから20メートルくらいまでなら鋼管杭が使えます。

一番深くまで改良することができるため、表層改良や柱状改良よりも

費用が高額になります。延べ床面積30坪程度の住宅の場合、150万円から300万円程度でしょうか。

特に一戸建ての住宅の場合、

鋼管杭での改良となると住宅費用の中での地盤改良の割合が大きくなってしまうので、

これから土地を購入して家を建てようと考えられている方は、注意が必要です。

腐植土には要注意

多くの住宅で採用されている柱状改良。

カバーできる地盤の深さも2メートルから10メートル程度と長く、

費用も安いため普及しています。

ただし、地盤の状態によっては注意が必要です。

というのも、地盤に腐植土が混じっている場合、柱状改良は

行うことができないからです。

腐植土は栄養が多く、野菜や植物を育てるのには良いのですが、

腐植土は酸性です。柱状改良に使われるセメントはアルカリ性で、

腐植土で使用するとうまく固まらず、思っていた効果を発揮しないことがあるのです。

地盤に腐植土がある場合には、鋼管杭を使用することになるのが一般的です。

地盤に腐植土が含まれると、柱状改良はできない可能性があるので注意!

調査方法はスウェーデン式サウンディング

どの工法を使用するか、自分の土地はどんな状態か。

それを調べるのが地盤調査です。

地盤調査は様々な方法がありますが、戸建て住宅で多く採用されているのが

スウェーデン式サウンディング調査です。

鉄のロッドに重りを載せて回転させ、進んだ距離と載せた重さ、回転数などによって

その地盤の強さを表します。

極端に地盤が悪いところだと、ロッドを回転させなくても、

重りを載せただけで「ストン」とロッドが地面に刺さってしまうこともあります。

また、地面にゆっくり「スルスル」入っていく地盤もあります。

こういった土地の場合、地盤調査によって得られたデータには、

「スルスル」「ストン」という記載が残るので、注意してみてみるとよいでしょう。

地盤調査のデータはネットで見られるところもある

地盤調査データはインターネット上で確認することができる自治体もあります。

自治体ごとに見やすい、見にくいというのがあるので、

今回は特に見やすくわかりやすい横浜市の例を上げておきますので、

ぜひ一度見てみてください。

横浜市行政地図情報提供システム | トップ
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地盤改良しているから液状化は安心 ではない!

東日本大震災の時に、千葉などで大規模な液状化現象が起こったのを

記憶していらっしゃる方も多いでしょう。

液状化で家が傾かないように、しっかり地盤改良をしようと思われているかもしれませんが、

液状化対策は、戸建て住宅などで使われる通常の地盤改良では難しのです。

柱状改良を隙間なく行うとか、圧倒的に強い地盤まで鋼管杭を打つなどの方法がありますが、

費用がかなりかさみます。

液状化の可能性があるエリアにお住いの方や、これから土地を購入しようと考えている方は、

この部分もよく調べてから判断されることをお勧めします。

これを選べば間違いないという地盤改良はない

地盤改良は、「建てる建物」「その建物の基礎」「その土地の地盤の強さ」などによって

複合的に工法が決められています。そのため、一概にどの工法が優れていると

言うことはできないのです。

また、「隣の家が地盤調査をしたときは良かったみたいなのに、なぜうちは地盤改良費が高いの!」

と感じる方もいるかもしれません。もちろん、隣の家の地盤調査の結果は参考にはなりますが、

あなたの土地とは全く関係がありません。隣の家なら地盤の強さが同じだろうと

思ったら大間違いです。隣の家とも地盤データは変わりますし、

もっと言うと同じ土地の中でも地盤の強さはかなり変わります。

なのでしっかり自分の土地で、いくつかのポイントで(4ポイントあると望ましい)調査を行い、

地盤改良方法を決定していくことになるのです。

まとめ

地面の中は見えないからこそ、しっかりとした知識が必要になります。

住宅会社に言われるままではなく、人生に一度の家づくりですから、

様々なところにアンテナをはって、知識を広げることをお勧めします。

特にこれから土地を購入しようと考えている方には、

土地の価格や広さだけでなく、地盤の強さも考慮した土地選びをお勧めします。

今回もお読みいただきありがとうございました。

次回の更新もお楽しみに!

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